■シ○ニチ バトルロワイヤル。(ミノ×カネ) 「…カネモトさん、落ちつきましたか?」 ミノルは心配げな表情で、カネモトの顔を覗き込んだ。 「…ああ。道場にいた時よりはな」 そう呟くカネモトの顔色は、ずっと前から青ざめたままだった。 無理もなかった。 ただでさえ仲間と殺し合うという理不尽な状況に放り出されているのに… スタート前に、フジナミの無残な姿を見せられているのだ。 あの道場で、声をあげて泣くチョウシュウのその後ろで、金本もまた涙していた。 「俺の憧れの…フジナミさんが…こんな酷い姿に…」 ただ泣く事しか出来ずに、立ち尽くしていた。 そんなカネモトを見て、ミノルは心配でたまらなかった。 「とにかく…カネモトさんと離れないようにしなくては」 大事なタッグパートナーを見捨てる事なんて出来ない。 道場の出発順は、ミノルが先だった。 茫然自失のカネモトに、ミノルは素早く囁いた。 「カネモトさん、ホビーショップまで来て下さい。いいですね!俺、そこで待ってますから…」 ホビーショップは、カネモトがよくフィギュアを買いに行く店だ。 そこならば、カネモトも迷わず安全な道を通って来れるだろう。 「じゃ…後で!」 ミノルは出口でデイパックを受け取り、駆け出して行った。 [1日目午後6時前:ホビーショップ] キィィィィ……。 そっとドアが開かれる音がした。 「…カネモトさん?」「ミノル…」 ミノルは弾かれるようにして自分を呼ぶ声の元へと駆け寄った。 目の前には顔色を失ったカネモト。 ミノルはそんな彼をギュッと、優しく抱きしめた。 「カネモトさん…無事で良かった…」 カネモトはミノルの肩に顔を埋め、ここに辿り着くまでずっと堪えていた涙を零した。 「ミノル…俺…」 どうしたらいいんだろ、と掠れた声でカネモトが呟く。 「…生きましょう。生き残りましょう、俺と一緒に」 ミノルはカネモトの髪を愛しげに梳きながらそう耳元で呟いた。 「ベルト、取り返すんでしょう?俺と一緒に。だから、生き残りましょう」 …本当は、ベルトなんてどうでも良かった。 ただ、カネモトと一緒にいたかった。生きて、ずっと傍にいたいだけ。 それを今言うのは反則だよな、とミノルは思った。 だけど…涙を零すカネモトの姿が…愛しくてたまらない。 不謹慎なのはわかっていたけど。でも…。 ミノルはカネモトの身体に回していた腕を解き、両手でカネモトの頬をそっと包み込んだ。 「泣かないで…」 涙に濡れるカネモトの瞳を見つめて、ポツリと呟いた。 溢れる涙がミノルの指先を濡らす。ミノルはそれを唇で掬い取る。 そしてカネモトの頬を伝う涙に唇を寄せてキスをしながら吸い取った。 「カネモトさん…俺が、俺があなたを守るから…」 ミノルはそう囁いて、自分の唇をカネモトの唇に重ねた。 掠めるように、そっと。触れるだけのキス。 唇を離して見上げると、驚いたように目を見開いたカネモトの顔。 「…嫌ですか?俺じゃあ…頼りになりませんか?」 不安げに訊ねるミノルに、カネモトは同じようにキスで答えた。 「ありがとう…」 唇を離したカネモトはギュッとミノルを抱きしめて、耳元でそう囁いた。 20020410 |
■サクシャ、コソーリツブヤク。 『新○バ○ルロ○イヤル』より。ええ、パクりました(爆)。 一応、作者であるJrマニア嬢の許可は取ってあります(笑)。 |